2015年

6月

19日

 石垣市出身のジャーナリスト、三木健さんの…

 石垣市出身のジャーナリスト、三木健さんの資料展が17日まで市立図書館で開かれた。著書の原稿用紙も見学でき、ます目を一文字づつ埋めていく作業の膨大さに圧倒される思いがした◆20年ほど前までは新聞社の原稿も手書きが普通だった。ワープロの登場もさほど昔の時代の話ではないと記憶しているが、今ではあらゆる原稿がパソコンへの入力になり、社内はもちろん、県外や国外からも文字データを瞬時に受け渡しできる時代になった◆分厚い原稿用紙の束を見ると息をのむが、パソコンの画面上に延々と続く文字データを見てもさほどの感慨はない。文豪の文学館などでは、手書きの原稿や万年筆が展示されるのが常だが、将来の文学館には何が展示されるのだろうか。便利さと引き換えに、手書き文化の衰退が確実に進んでいるのを感じる◆資料展では、三木氏が琉球新報記者時代に書いた取材メモも多数並び「よくも丹念に保存したものだ」と感嘆させられた◆使い終わった資料はごみ箱へ投げ込むのが当然のように思っていると、10年後、20年後にしっぺ返しが来る。「あの時の資料をもう一度見たい」「あの状況をちゃんと記録しておけば良かった」。若いころはさして気にならないが、年老いた今は悔悟が尽きない。