2015年

6月

24日

厳かな慰霊の場に…

 厳かな慰霊の場に政治的主張を持ち込んでいいのか。糸満市で開かれた沖縄全戦没者追悼式で朗読された翁長知事の「平和宣言」に懸念を感じた八重山住民も多かったはずだ。翁長知事が宣言で、政府に米軍普天間飛行場の辺野古移設中止を要求した◆会場からは、翁長知事に対しては拍手、安倍首相に対してはヤジが飛び、さながら政治集会だった。これも県の「平和宣言」が発端だ。こんな騒然とした追悼式で、果たして御霊は安らかでいられるだろうか◆八重山で開かれた追悼式は対象的だった。参列者はあらゆる政治的対立を超え、静かな雰囲気で戦争の悲惨さを語り、平和への思いに心を一つにした。主張の違いは何ら問題にならなかった◆最近、辺野古移設阻止を訴える知事の言動はエスカレートの一途をたどっているように見える。先月には「抑止力のために(辺野古移設が)必要だと日米両国が決めても止める」と述べ、今月は辺野古移設阻止を目的とした「辺野古新基地建設問題対策課」を県庁に新設した◆辺野古移設に向けた作業が進む中、県に苛立ちがあることは理解できる。しかし「反基地」の最も過激な主張が、そのまま県民の声として発信されているような現状では、県民の1人として不安を感じずにはいられない。