
沖縄「正論」友の会第5回八重山セミナーが23日、石垣市民会館中ホールで開かれた。韓国の朴槿恵大統領に対する名誉毀損で起訴され、裁判で無罪を勝ち取った産経新聞前ソウル支局長の加藤達也氏が「なぜ私は韓国に勝てたか~朴槿恵政権との五百日戦争~」と題して講演した。
加藤氏は、セウォル号沈没事故の際、朴大統領が消息不明だった「空白の7時間」を指摘するコラムを執筆し、韓国の右翼団体から告発された。
韓国の検察は「法治主義に基づかないずさんな捜査だった」と振り返る。「右翼団体はコラムを読んでおらず、産経新聞は反韓を煽り立てているという印象論で告発状を仕上げてきた。検察は、告発を利用して産経をとっちめてやろうとしていた」と韓国政府の不透明さを指摘した。
韓国政府からの恫喝的な電話、加藤氏の乗った車に卵を投げる右翼団体のパフォーマンス、情報機関による監視や電話の盗聴など、韓国側からのさまざまな「圧力」を暴露。圧力に屈せず、謝罪や遺憾の意を表明しなかったことが「勝利」につながったと分析した。
「韓国は極めて近い隣国であり、日本は引っ越すわけにはいかない。日本政府や日本人はこれまで、問題が起きると面倒くさいからと譲歩して主体性を放棄してきたのではないか」と従来の謝罪外交を疑問視。「日本とはこういうものだと相手に知らしめることで、韓国との関係は正常な方向に向かっていく」と強調した。
セミナーには産経新聞の熊坂隆光社長も出席し、加藤氏に対する支援に感謝の意を表した。