2017年

3月

07日

インターネット上で…

 インターネット上で「ナレ死」という言葉が最近よく使われる。NHK大河ドラマで、登場人物の死を直接的に描かず、ナレーションだけで済ませてしまうことを揶揄(やゆ)した表現だ◆現在放送中の「おんな城主直虎」は先日、織田信長が今川義元を倒す「桶狭間の戦い」の回を迎えたが、チャンネルを回してびっくり。ドラマの重要人物である義元の戦死が「ナレ死」で片づけられていたからだ◆戦国時代を舞台にした大河ドラマといえば、武将の壮烈な討ち死にシーンがつきものだと思っていたが、どうも最近、そんなシーンを見た覚えがない。前作「真田丸」も、主役の真田幸村が戦死する場面はなく、暗示的に描かれただけだった◆大河ドラマは一家団らんの時間帯に放送される。ひょっとすると制作側に、血なまぐさいシーンを自主規制しようという動きがあるのかと勘ぐってしまう◆しかし人の死が描写されないドラマはリアリティを欠く。その意味で、最近の大河ドラマは演出だけでなく、脚本も含め「お子様向け」という印象が何となく否めない。制作側に、リスクを引き受ける気概が感じられないからだろうか。安全は退屈と紙一重ではないか。「ナレ死」という言葉は、視聴者のそんな物足りない気持ちを代弁している。