復帰っ子も今年で45歳。今や…

 復帰っ子も今年で45歳。今や復帰を知らない世代が社会の中堅に立ちつつあることを示す◆故郷沖縄に対する自己イメージには、復帰前の世代と現代っ子との間で大きな認識のギャップがあるようだ。復帰前の沖縄人は、日本人でありながら日本人としての権利を制限された。本土への渡航にはパスポートが必要。沖縄人にはアパートを貸さないなど、無理解からくる差別も横行し、いまだに本土への複雑な思いが残る◆復帰後、マスメディアの発達がそうした旧弊を押し流す。今や沖縄は全国随一のリゾート地であり、移住希望者が殺到する憧れの南国だ。多くの県出身者が芸能界や経済界などで活躍している◆復帰前の世代は、現在の華やかな沖縄を見てもなかなか心の傷が癒えないが、生まれながらに豊かな現代っ子には先人たちの苦労がピンと来ない。そうした世代間を橋渡しできるのが「復帰っ子」の世代だろう。親の痛みを受け継ぎ、子の誇りを理解できる。いわば双方の世代に片足を突っ込んでいる。終戦直後に生まれた「団塊の世代」と一脈通じ、ともにベビーブーム世代という共通点もある◆いよいよ「復帰っ子」の時代を迎える沖縄。伝統にしっかりと根を下ろしつつ、変革の荒波に耐える、強い故郷をつくってほしい。