学力低下の惨状打開を

 夏休みを終え、いよいよ2学期がスタートした。八重山の最高気温は30度を超え、猛暑はまだ和らぐ気配を見せないが、季節は着実に秋へと移ろい始める。年末まであと4ヵ月、そろそろ今年の総決算も視野に入れた準備を考える時期だ。

 児童生徒の一番の「仕事」は勉学だ。小学6年生と中学3年生を対象に国語A・B、算数A・B、数学A・Bで実施される2017年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果が発表された。沖縄は小学校でほぼ全国平均並みとなったものの、中学校は全教科で全国平均を下回った。

 小学校はやや改善の兆しが見られるが、問題なのは依然として中学校だ。全国47都道府県別に見ると、全教科で全国最下位と低迷している。

 学力上位県と沖縄の格差は圧倒的だ。例えば国語Aでは、全国1位の秋田、石川、福井が82点なのに対し、沖縄は72点。数学Aは全国1位の福井が73点なのに対し、沖縄は58点で、15点もの大差がついた。総括すると、沖縄では小学校段階で徐々に学力向上の取り組みが奏功していると言えるが、中学校段階の取り組みは、真剣に見直すべき時期に来ている。

 八重山でも石垣市の調査結果が先日発表されたが、中学校は全国最下位の県平均をさらに下回る結果となった。学力低迷の覆うべくもない惨状と言える。

 2010年、中山義隆市長の就任時に登用された玉津博克元教育長が、学力向上を最大の目標に据え「冠鷲プロジェクト」と名付けたプランを打ち出したのはまだ記憶に新しい。ところがこの結果を見ると、とても学力向上どころではない。小学校はともかく、中学校に関しては「道半ば」どころか「一歩たりとも進んでいない」のではないか。

 現状打開に向けた一手は競争原理の導入だろう。テスト結果を学校別にランキングし、上位校を公表するなどの取り組みである。下位校にとっては上位校が目に見える目標になるし、参考にもなる。上位校にとってはさらなる励みになるはずだ。

 しかし全国学力テストが2007年にスタートして10年、都道府県別、学校別での成績数値化が可能になるというメリットが、県全体でも八重山でも、うまく生かされているとは言い難い。

 八重山では小規模校が多く、個人情報保護の面から学校別の公表が難しいという事情もあるが、県レベルでこうした施策が検討されたことはあるのだろうか。

 こうした提案に対し、「過度な競争を招きかねない」として、ランキングに反対する動きがあることは理解できない。県内でも中学校が全国最下位であることを意図的に報じないメディアがある。これでは改善は進まない。

 学力向上を実現するには、子どもの貧困問題、沖縄の夜型社会の改革、教員の資質向上など、一筋縄ではいかない難問が横たわっているのも事実だ。

 資源を持たない沖縄にとって、人材こそ宝だとよく指摘される。人材育成の基礎は学力向上だ。優秀な人材を他地区に流出させるのではなく、逆に全国から吸い寄せるほどの魅力ある「高学力都市」になってこそ、沖縄の将来は開ける。