衆院解散へ 政局風雲急

 衆議院の解散がにわかに現実的になり、政局は風雲急を告げている。安倍政権は10月10日公示、同22日投開票を軸に日程調整を本格化させているという。2014年12月以来、約3年ぶりの衆院選で、自公連立政権が国民の審判を受けることになる。
 沖縄の4選挙区は、いずれも現職が出馬すると見られている。1区は赤嶺政賢氏(共産)、国場幸之助氏(自民)、下地幹郎氏(維新)、2区は照屋寛徳氏(社民)、宮﨑政久氏(自民)、3区は玉城デニー氏(自由)、比嘉奈津美氏(自民)、4区は仲里利信氏(無所属)、西銘恒三郎氏(自民)で、新人は幸福実現党に立候補の動きがある。
 前回14年衆院選では、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する「オール沖縄」と呼ばれる勢力が小選挙区で全勝した。しかし自民候補と下地氏はいずれも比例で復活し、結局、立候補した9人全員が当選する「敗者なき選挙戦」となった。今選挙も「オール沖縄」勢力と自民の対決が軸になる。
 辺野古移設の是非は争点の一つになるが、移設をめぐる状況は当時とは一変した。2016年12月の最高裁判決を受け、辺野古沿岸の埋め立ては適法性が確認され、今年4月には埋め立て工事が始まった。移設阻止は現実的に困難という見方も広がりつつあるが、反対派は徹底抗戦を叫んでいる。
 自民党は移設容認、「オール沖縄」は移設反対の立場で再び干戈(かんか)を交える。移設のメリット、デメリットに関し、双方とも正面から論戦してほしい。
 米軍基地と並んで沖縄が抱える重要な安全保障問題が尖閣諸島問題だ。中国の身勝手な領有権主張は依然として変わらないが、中国公船が領海に侵入して八重山の漁船を追い回すなど、国有化当時に見られた強引な行動は影を潜めた。しかし中国公船と日本の巡視船が尖閣周辺海域でにらみ合いを続ける緊張状態は3年前と比べても改善されていない。
 こうした状況を受け、政府は南西諸島に陸上自衛隊を配備し、守備を固める動きを進めている。石垣島への配備は来年度から本格化する予定で、特に宮古、八重山を含む4区で争点の一つになる。
 現職9氏に関して言えば、この3年間でどれだけ沖縄振興に手腕を発揮したか、有権者が改めて実績をチェックする好機でもある。
 国会議員は市町村議会議員や県議会議員に比べ、住民と接する機会は必ずしも多くない。大所高所から国政の問題に取り組むことが求められるためだが、一方で地域と国政のパイプ役としての機能も果たさなくてはならない。それぞれの政治家が日ごろからどの程度、選挙区に足を運び、地域の要望を吸い上げてきたか問われる。
 沖縄は来年、名護市長選、石垣市長選、県知事選などの大型選挙が相次ぐ。衆院選は事実上の前哨戦として、県内政局を大きく左右する。