小池百合子東京都知事が率いる…

 小池百合子東京都知事が率いる「希望の党」が一躍脚光を浴びている。「勝負師」のイメージがある小池氏。しかし都知事選からわずか1年余で新党を結成し、一気に国政へ歩みを進めようとは、自身、夢にも思っていなかったのではないか◆政治家としての優秀性は疑いない。小池氏の自民党時代、東京でインタビューする機会があった。沖縄担当相の経験を持つ小池氏は、米軍基地問題で閉塞感を強める沖縄の現状について鋭い「分析眼」を示し、凡百の政治家とは違うオーラを漂わせた◆都知事選でのブレイクが政界に与えた衝撃波は、本人の思惑をはるかに超えていたと推測する。その才能ゆえに政界再編の期待を一身に集め、衆院解散後は奔流に押し上げられるような状況だったろう。希望の党は民進党を呑みこみ、事実上の野党第一党になってしまった。首相の座さえ見てきた◆しかし希望の党はあまりに急造だ。離合集散の末に決まった候補者といい、「ユリノミクス」など名前やイメージばかり先行する公約といい、いかにも準備不足の感は否めない◆もっと時間をかけ、じっくりと実力を蓄えて国政に挑戦すべきではなかったか。あるいは、今こそ一世一代の勝負時なのか。小池氏の姿が、誰にでもある人生の決断とだぶってしまう。