小さな島の市長選が…

 小さな島の市長選が日本の安全保障を左右する。「石垣市長選はどうなっているのか」という問い合わせを全国から受けるようになった。名護市長選に勝るとも劣らない注目度だ◆石垣市は尖閣諸島を行政区域に抱えており、対中摩擦の最前線に立つ。防衛省は「防衛の空白地帯」を埋めるため、奄美大島、宮古島とともに陸上自衛隊の配備計画を進めている。尖閣問題や自衛隊配備計画の行方に直結する市長選である◆従来は自公選挙協力態勢に支えられた候補者が優勢で、革新系候補は常に押され気味だったが、今回は保革一騎打ちではなく、保守分裂選挙となり、情勢はにわかに緊迫化した。分裂選挙を勝ち抜く候補が保守市政を死守するのか、8年ぶりの革新市政誕生か。誰が市長になるかで、国政や県政に対するスタンスはがらりと変わる。そのことも全国からの視線が集中する一因だろう◆市民の関心はもとより自衛隊配備計画だけではなく、待機児童問題、市街地と農村地域の格差是正、子どもの教育環境整備、経済活性化など幅広い。候補者には国の安全保障をにらむ気宇壮大さと、足元の小さな課題に一つひとつ取り組む細心さが求められる◆事実上の選挙戦は既に中盤に入り、21、22、23日に開かれる各陣営の総決起大会が山場となる。