台湾紙「日本が譲歩」と報道 日中相互連絡の運用懸念 石井望氏

石井望氏
石井望氏

 石垣市の尖閣諸島周辺で日中の偶発的衝突が起こるのを防ぐため、日中両首脳は9日、双方の艦船、航空機の運用をめぐって相互通報する「海空相互連絡メカニズム」に合意する見通しとなっている。ただ尖閣諸島の領海と領空が含まれるかは明示せず「玉虫色の決着」となる見通し。連絡メカニズムについて尖閣史家の石井望・長崎純心大准教授に話を聞いた。
 非常に懸念している。合意の文面に尖閣という文字は盛り込まれないとされるが、問題は実際の運用面である。日本国内である尖閣へ、日本の船舶・航空機が移動するにつき、一度でも日本から中国に連絡するようなことがあれば、それが決定的前例となり、尖閣は純粋な日本の領土ではないと定義づけられる恐れがある。少なくとも国際世論でそのように理解されかねない。
 台湾最大手の新聞「自由時報」は台湾独立派だが「尖閣で日本が中国に譲歩する見込み」と報じている。
 私は政府周辺の情報を探ってみたが、確かな情報は出て来ない。実際には連絡しないとの説もある。連絡しないならばなぜ連絡システムという名称なのか、疑念を払拭できない。国民が疑問の声を上げて、議員が国会などで追究すべきだ。(談)