自立へ基地、経済問題克服を

 きょう5月15日は46回目の復帰記念日である。現在の私たちは空気を吸うような感覚で、日本人としての権利を享受し、国と郷土の歴史や文化に誇りを抱いているが、米軍統治下の戦後27年間、それが許されない時代が存在した。苦難の道を切り開いた先人に感謝する日でありたい。
 復帰後の沖縄の経済発展はめざましかった。沖縄本島だけでなく、離島である宮古、八重山に至るまで膨大な国費と県費が投じられ、道路や施設などのインフラ整備が進んだ。道路、港湾、空港、上下水道などの基盤整備は大幅に進展し、さらに学校校舎から住宅、医療、福祉施設なども財政投資によって質、量ともに改善された。
 近年は一部の離島を除き、高速インターネットを可能にする光ファイバーが張り巡らされた。戦後日本が経済大国化したこともあるが、政府による手厚い沖縄振興策が進んだことは評価できる。各種世論調査でも「復帰して良かった」という思いが県民の大多数を占めている。
 一方で沖縄は宿痾(しゅくあ)とも言うべき米軍基地問題を抱える。県民の負担軽減は、できるところから手をつけなくてはならない。
 まずは宜野湾市の中央部にどっかりと居座る巨大な米軍普天間飛行場を撤去し、新たなステージに立ってさらなる基地の整理縮小を模索すべきだ。現実論を無視した「オールオアナッシング」では物事は前に進まない。名護市辺野古への移設作業を着実に進め、一日も早い普天間飛行場の撤去を実現してほしい。
 米軍基地問題は、自国の防衛の大部分を他国に依存しているという国のあり方に本質がある。本土が沖縄を見下し、基地負担を押し付けているという「構造的差別論」だけでは抜本的な解決にはならない。本土も変わる必要があるが、沖縄も変わらなくてはならない。
 沖縄は現在、観光産業を中心に空前の好況だと言われる。事実、沖縄本島も離島も大勢の観光客でにぎわっている。中華圏からの観光客が目立つが、海外からの観光客は、国の事情で突如として途絶える例もあり、全面的な依存は危険だ。観光業界の現在の活況が、果たして持続可能な経済発展につながっているのか、改めて点検する必要もあろう。
 所得が全国最低水準にとどまっていることも大きな課題だ。自立した沖縄を目指す上で、沖縄の将来のカギを握るのは人材であり、教育水準の向上である。
 全国学力テストで、沖縄の成績は常に下位にある。このような現状に甘んじていいのか。深刻な課題の一つである人手不足も、首都圏などへの人材の流出が一因となっている。逆に、全国から優秀な人材を引き付ける沖縄でなくてはならない。復帰50年の節目に向け、教育のあり方を見直す必要もあろう。