米軍普天間飛行場の…

 米軍普天間飛行場の辺野古移設問題をめぐり、政府と激しく対立し続けた翁長雄志知事が死去した。現職の知事が死去するのは県政史上初めてだという◆辺野古沿岸埋め立て承認の取り消し、法廷闘争の末の敗訴、ヘリパッド移設工事の騒動、繰り返された県民大会、遠くスイスに飛んでの国連演説、そして最後の力を振り絞るかのような埋め立て承認撤回…。わずか3年8カ月の県政だったことが信じられないほど、多くの出来事があった◆知事として栄光の頂点を極めたかのように見えたが、実際は火中の栗を拾ったも同然だった。辺野古阻止の訴えは県内ではともかく、全国的には理解が広がらず、ネット上では知事に対する罵詈雑言(ばりぞうごん)も飛び交った◆県政トップという立場上、ある程度の批判は覚悟の上だったはずだが「想像を絶するストレスにさらされているのでは」と常々感じていた。今にして思えば、文字通り基地問題に「命を削った」のだろう◆知事が八重山を訪れる機会はほとんどなく、個人的に接する機会はなかったが、知人の記者は「飲み屋で偶然会うと、気さくに話しかけてくれる人だった」と回想した。「闘士」というイメージでは本来なかったようだが、知事を目指したのは一つの宿命だったのか。謹んでご冥福をお祈りしたい。